2015年1月15日スイスフランショックの影響をまとめてみました
- 2015-01/18 (Sun)
- ファンダメンタルな話
ブログ「FX自動売買な日々」管理人のKMRWT(こもりうた)です。
1月15日にスイス国立銀行(スイス中央銀行)が
ユーロへの無制限介入を即時撤廃することを突如発表しました。
その結果、スイスフランが急騰する
スイスフランショックが発生。
スイスフランを含む通貨ペアでは
物の数分で軒並み2000pipsクラスの
暴落・暴騰が発生しました。
この影響はスイスフランを含まない通貨ペアにも波及して
相場が激しく動きました。
その結果、多くの口座がドローダウン。
中には運悪くロスカットに見舞われ口座破綻する方も多数発生。
さらにアルパリUKなどの大手のFX業者が破綻するなど
恐ろしい事態になりました(>_<)
今回は、このスイスフランショックの影響についてまとめてみました。
■スイスフランショック、その時市場はどう動いたのか…
スイス中銀が無制限介入の撤廃を発表した直後の
相場の値動きをまとめてみました。
まずはEUR、USD、CHFの3通貨ペアの動きを見てみましょう↓

1.20ラインにベタベタに貼り付いていたEURCHF。
その均衡がスイスフランショックで一気に崩れました。
EURCHF、USDCHFはわずか数分で
1800pipsを超える爆下げ状態になりました。
EURUSDは瞬間的に180pips急落しましたが
その後は一旦元の水準に戻り
そして再び右肩下がりに下落しています。
次にUSD、CHF、JPYの3通貨ペアの動きを見てみましょう↓

USDJPYはスイスフランショックの瞬間に100pips下落。
その後は115円台後半まで下がったものの
1月16日には元の117円台後半まで戻っています。
一方、CHFJPYでは2100pipsを超える上昇が発生。
USDCHFでは1800pipsもの下落が発生し
行ったきり戻って来ない状況になっています。
このイレギュラーな値動きの影響で
保有していたポジが大当たりして爆益を出した方も一部にはいますが
想定外の動きでドローダウンを食らったり
口座が破綻して追証を迫られる方が続出するなど
多くの方にとっては恐ろしい出来事になりました。
市場の反応はNAVERまとめのこちらの記事が参考になります↓
NAVERまとめ「スイスフラン騒動で大儲けした人と
大損した人の阿鼻叫喚の叫びまとめ #fx」
※一部の記述にはスイスショック由来でないものも混じっているようですが…
■スイスフランショックでアルパリジャパンが破綻…
今回のスイスフランショックの影響で
大きな損失を被ったのはトレーダーだけではありません。
いくつかのブローカーも打撃を受けて経営破綻することになりました。
【参考ニュース】
スイスフラン急騰、FX業者の経営に打撃
国内ではアルパリジャパンが1月16日に破綻。
保有ポジの強制決済と新規エントリー禁止が実施されました。

アルパリジャパンは親会社であるイギリスのアルパリUKが
スイスフランショックの打撃をモロに受けて破綻してしまったそうです。
日本の金融庁はアルパリジャパンに対して
資金の国外流出を防ぐよう資産保有命令を出しています。
ユーザーの資金が無事に帰ってくることを願いたいと思います(・_・)
この他、海外ブローカーではニュージーランドのExcelMarketsが破綻。

また、アメリカのFXCMは
2億2500万ドルの損失が発生して破綻寸前に陥りましたが
3億ドルの融資が得られて破綻回避できたとのこと。

FXCMは子会社のFXCMジャパン証券が国内業務を実施しており
KMRWTも口座を持っていますが
こちらも破綻が回避できたそうなのでホッとしています。
この他、キプロスのXMからは
1月17日にメールにて「影響がない」とのアナウンスがありました。

「今回の件における弊社のビジネスへの総括的な影響は
取るに足らないものであります。」…と書いてあります。
ちなみに、国内ブローカーForex.comジャパンの親会社である
アメリカのゲインキャピタルホールディングスでは
スイスフランショックで利益を確保して株価が+3.6%上昇したそうなので、
今回のスイスフランショックで負けた人もいれば勝った人もいるように
ブローカーにも破綻した所もあれば利益が出た所もあるようです。
【追記】
大手の各ブローカーが受けた影響については
FOREX MAGNATESに掲載された以下の記事が大変参考になります。
The Forex Industry Battles EUR/CHF Meltdown: Real Time Updates
※状況が判明次第、リアルタイムで追記されるそうです。
情報提供くださったMさん、ありがとうございましたm(_ _)m
■スイスフランショックは何故起こったのか
今回のスイスフランショック発生の原因について
EURCHFの週足チャートから探ってみましょう。

2009年から発生した欧州債務危機により
ユーロ安フラン高が進んでいた2011年9月、
スイス中銀はユーロへの無制限介入を発表。
1ユーロが1.20スイスフランを下回らないよう
スイスフランにユーロペッグ制を導入してテコ入れを行うことを表明しました。
それから3年あまりの間
EURCHFのチャートは1.20ライン付近にずっと貼りついたままになっていました。
ところが2014年に入ってECB(欧州中央銀行)が
近い将来に量的緩和を実施する可能性が高まり
そうなるとユーロ安の勢いが強まることから
スイス中銀は1ユーロ=1.20スイスフランのラインを
介入で維持することが困難になると判断。
そして、無制限介入の即時撤廃という電撃的発表が実施された結果
EURCHFの相場では2000pipsを超える暴落が発生し
歴代最大の値動きを記録することとなりました。
スイスフランショック後、誰もが
「スイス中銀!何で電撃発表したんだ!!」
と思ったはずです…
市場のみんなが裏切られた感を持て余している一方で
してやったりとほくそ笑んでいる
電撃発表関係者がいたら嫌ですよね…(-_-)
【参考になるニュース】
スイスフランすさまじい急騰 外為市場大荒れで結局損した投資家は...
スイス中銀、外国為替市場での無制限介入を撤廃 その影響は?
「なぜ?」スイス中銀の転換で円高に
■スイスフランショックの時にポジっていたEAとその結果
スイスフランショック発生時、KMRWTの口座では
3つのEAがポジションを持っていました。
それらがどうなったかというと…
1月から稼動開始したMarmot V1 USDJPYが
USDJPYの急落に伴いSLに掛かり-45.1pips↓

Fukurou V2.5 GBPUSDも
スイスショックの値動きに翻弄されてSLに掛かり-43.5pips↓

一方、BandCross3 EURUSDは
運良く利益が出て+122.1pipsとなりました↓

BandCross3 EURUSDの結果については
TPの180pipsにきっかり到達した方もいるようですが
スプレッドが瞬間的に100pips超まで拡大した影響等で
マイナスで手仕舞いを強いられてしまった方もいらっしゃるようです。
イレギュラーな値動きの時の決済は
狙い通りにいかないものですね(>_<)
■ユーロペッグ制を当てにしていたEAはドローダウン…
市販されているEAの中には
スイス中央銀行の無制限介入による
スイスフランのユーロペッグ制があることを前提として
開発されたものがありました。
それらのオフィシャルフォワードテスト結果は
現在このようになっています↓
MAX-PEGはEURCHFのナンピンマーチンゲールEA、
PegSystem ver.1はEURCHFの擬似トラリピEAです。
どちらもEURCHFの狭いレンジ相場を想定した設定になっていましたが
頼みの綱のユーロペッグ制がスイスフランショックで突然崩壊した結果
大きくドローダウンしています。
このように
「賞味期限」があるEAは
その期限がいつ切れるのかを事前に知ることができなければ
危険なEAになってしまいます。
賞味期限がいきなり切れてしまいかねないEAは
運用を避けるべきだと思います(・_・)
■今後の課題
スイスフランショックの影響で
市場は大荒れの状態のまま週末に突入しています。
自動売買はしばらく稼動を控えて
様子見する必要がありそうです(・_・)
また、今後も破綻や事業終了するブローカーが発生するかも知れません。
運悪くブローカーが破綻してしまった場合は
速やかに出金手続きを行いましょう。
不幸な目に遭ってしまわれた方の残余資金が
無事出金できるよう願いたいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございますm(_ _)m
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